株式の売却による税金ー分離課税とはー

株式投資で得た利益が20万円以上であれば税金が掛かります。株式取引で得た利益に対する税金は給与所得などとは違い「分離課税」という形式で課税されます。今回はその分離課税がテーマになります。

総合課税と分離課税

まずは分離課税とは何か?についてのご説明です。課税の種類は大きく分けて総合課税と分離課税の2つに分かれます。

総合課税

総合課税とは、他の所得と合算して税金を計算する制度の事を言います。
例えばアパート経営をしている人が得る賃料収入や、事業をしている方が得る事業所得などがこれに該当します。サラリーマンがアパート経営をしている場合には、会社から得る給与所得とアパートから得る賃料所得を合算して「収入」となります。

つまり、会社から貰うお給料(課税対象所得)が年額500万円だったとしてもアパート経営の収入(課税対象所得)が1,000万円あった場合には合算した1,500万円の年収として扱われ、高い税率で所得税が課税されるということになります。株取引に関係する所得で「配当所得」は総合課税を選択することができます。株を保有していることで得られる配当金に関してはこちらの総合課税が適用されます。
 

分離課税

分離課税とは、上記の総合課税とは異なり、他の所得とは分離して単体で課税されます。株取引においては株の売買で得た利益は分離課税に該当します。
つまり、いくら利益をあげようが株の売買益だけで課税されると言う事です。

分離課税の場合、累進課税ではなくなる

所得税の税率は累進課税と呼ばれ、収入が多くなるほど税率が高くなる仕組みになっています。一方、株取引の分離課税は売買益に関しては非累進課税であり、いくら利益を出そうが税率は20.315%と決まっています(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)。

分離課税のメリットとデメリット

分離課税のメリット

分離課税のメリットは何といっても「分かり易い」に付きます。専業トレーダーの方は勿論ですが、サラリーマンをしながら株取引をしている方も多いので税金がいくらになるかが分かり易いことは重要な事です。分離課税であれば、いくら株で利益を出そうが税率が決まっているので、予期せぬ税金がかかりにくいのがメリットです。

分離課税のデメリット

デメリットは、利益が少なくても一定の税率で徴収される事です。上記の表の所得税率と比較をすると分かり易いですが、所得税で税率20%を超えるのは課税所得が年額330万円を超える時です。つまり、株で得た利益が1万円でも、給与所得の年額330万円と同じくらいの高い税率が課せられる点がデメリットと言えるでしょう。